LEATHER

昭和12年創業、
昔ながらの鞣(なめ)し製法を承継。
“フルベジタブルタンニンレザー”は、熟練の職人一人ひとりが
手間暇かけて作り上げた、栃木レザーが誇る革です。

革本来の風合いを生かした製法

革本来の風合いを生かした製法
使うほどに色艶が増していく

“フルベジタブルタンニンレザー”は、文字通り植物性の天然成分で作られたタンニンで鞣された革を指します。使用しているのは、有害な物質を一切使わずアカシア系の樹木、ミモザの樹皮から抽出された樹脂のタンニンです。
鞣し工程では、タンニンを浸したピット槽に皮一枚一枚を漬け込んでいきます。その期間は、実に20日間。長い時間をかけて鞣されたあとには、染色によって色が付けられます。
革が本来持つ風合いを生かした製法なので、使うほどに革の油分がにじみ出てくるのが、フルベジタブルタンニンレザーの特徴。色艶が増し、エイジングを楽しめる革が仕上がります。

細かい傷も魅力の一部。革本来の風合い

細かい傷も魅力の一部。
革本来の風合いを楽しんで

通常、皮革製造では生産量を上げるために原皮を引き伸ばして製造が開始されます。しかし、栃木レザーが手がけるフルベジタブルタンニンレザーの場合、繊維が縮むことを避けるため無理な引き伸ばしは行いません。
また、コシのある革に仕上げるため、脱毛の際は一般的な方法であるドラム(皮に薬剤を浸透させるドラム缶型の回転機械)を使わず、石灰乳を入れたピット槽に、濃度が高い順から5段階に分けて漬けていきます。通常の工程より5倍の時間がかかりますが、皮に余計な傷や負担を与えないため、栃木レザーではこの方法を採用しています。
こうした工程へのこだわりは、革の裁断面に現れます。繊維が潰れてしまうと革の断面はボサボサになりますが、繊維がしっかりした革には断面にもきちんと目が詰まっています。
また、栃木レザーでは革に塗料を吹き付けるのではなく、タンニン鞣しと染色にこだわりを持っています。そのため、牛が生きているときに付けた傷やシワがそのまま残っているのも特徴。革本来の風合いを感じられます。

革の染色

使うほどに、
“あなただけの革”に進化する

染色する際に革の内側(芯)まで着色することを「芯通し」といいます。栃木レザーのフルベジタブルタンニンレザーは、この芯通しにこだわった革です。ドラムなどを使い革と染料を下地に浸透させ、その後表面に着色する染色は、今も職人が手作業で行っています。
革製品は、長く使用していると表面に傷が付いてしまうこともありますが、芯通しをして革の芯まで染料を浸透させておけば、表面に傷が付いても目立ちません。また、内側から染み出てくる油分により、そのとき付いた傷も魅力の一つとなるでしょう。

エイジング

革が“馴染んで”いく
過程を楽しんで

最初は固いヌメ革も、使い込むほどに柔らかく馴染んでいきます。エイジング(=経年変化)により生まれる味わい深い熟成は、革ならではの魅力とも言えるでしょう。時間をかけて作った革本来の魅力は、使えば使うほどに持ち主に合わせて形が馴染んでいくことです。靴は履く人の足の形に、財布は持ち主の手の形に……といった風合いの変化を楽しんでみませんか?

バクテリアや微生物によって段階的に中和、浄化させる循環システム

伝統技術と革新的な知恵
「土に還る革」で環境に配慮

「タンニン鞣し」の中でも昔ながらの手法で鞣される、栃木レザーのフルベジタブルタンニンレザー。現在主流とされている製法よりも、何倍もの時間をかけて丁寧に鞣された素材は、ほぼ100%土に還るという特徴があります。
また、栃木レザーでは自然環境保護の観点から、製造工程で生じる排水の処理にも薬品は使用しません。バクテリアや微生物によって段階的に中和、浄化させる循環システムを採用しています。
伝統的な技術と環境に配慮した知恵で、栃木レザーは「自然との共存」という環境革命を目指しています。